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​よくあるご質問

漢方薬は長く服用しないと効きませんか?

よく「漢方薬は体質改善の薬だから、3ヶ月は飲まないと効かない。」と思っている方が多くおられます。
日本に西洋薬のなかった頃は、ステロイドも抗生物質もありませんでした。しかし先人は巧みに急性期疾患にも対応出来る様に、

数多くの処方を残されてます。
風邪を引かれた時も西洋薬だけでなく漢方薬を併用すると一回の費用は多少増えますが、症状の改善が早くなり通院回数が減るので、結局総額はお得になるという経済効果を実証した論文もある程です。

エキスと煎じ薬の違いは?

簡単に申しますと、エキスは煎じ薬を煮詰めてフリーズドライ化したものです。
コーヒーに例えますと、インスタントコーヒーとドリップやサイホンで入れたコーヒーの違いとなりますでしょうか。コーヒーという一つの豆でも差はある様に、多くの生薬を用いた漢方薬の場合、煎じ薬の方が効力は優れています。
関節リュウマチの様な難病の場合は落ち着くまでは、煎じ薬を第一選択と致しております。しかしエキスも捨てたものではなく、簡便な為に今は煎じ薬とエキスを使い分けされる患者様も増えております。
煎じ薬が苦手な方は、当初はエキスをお勧めします。
以前お飲みになった煎じ薬が、薬用量が多くドロッとして臭く飲みにくく、二度と飲みたくないと言われ拒否反応を示す方がおられますが、当院の煎じ薬は日本人の体質にあった生薬を適量お使いしてますので、そういう心配は全くございません。
ご試飲頂くサービスも行っておりますので、ご遠慮なくおっしゃって下さい。

漢方薬にも副作用はありますか?  

正直言ってあります。
桂皮(シナモン)の入った八ツ橋を食べて顔が真っ赤になったという、江戸時代の記録も残ってる程です。
しかし正確なデーターはありませんが、臨床経験上、西洋薬の1/100~1/1000と言われてます。
副作用と紛らわしいのに瞑眩(めんげん)といって体質が改善される前に一時的な悪化現象があります。沈静作用と血管拡張作用のある釣藤という植物生薬を、高血圧の患者様にお使いした時、初めの2日間血圧が少し上昇し、その後スーと元の値より下がり頭に鍋をかぶっている様な感じがなくなったと、喜ばれた事があります。
瞑眩(めんげん)か副作用かの判断は、患者さまにとっては大変難しいので、医師に直接ご相談下さい。

内服薬は、消化管を通過するために消化管障害を起こし、肝臓・腎臓で代謝される為に、肝・腎障害を起こす可能性がございます。

​血流にのり大半の臓器に到達し処理しきれない場合各臓器の障害も起こし得ます。副作用を疑った場合、服用等を中止しご連絡ください。休診日etcで連絡がつかない場合は、症状に応じ、日赤etc高次医療機関受診も御検討下さい。副作用は、皮疹。下痢etc自覚できる場合と症状はないが検査上異常が潜在する場合があります。定期的な血液検査をお勧めします。

花粉症とアトピー性皮膚炎で苦しんでますが、漢方で治りますか?    

両疾患とも免疫反応の異常で起こるアレルギー疾患の代表で、漢方治療のよい適応です。

花粉症 

免疫反応の変調で、有害とは言えない花粉にまで過剰反応を示し異物として排除しようとし、花粉症の時期が過ぎても、猫の毛やハウスダスト等にまで反応を示す通年性アレルギー性鼻炎、結膜炎が年々増えて来ております。中には慢性咽喉頭炎や日常生活に支障を来たす気管支喘息の発症という状況に及ぶ事さえあります。 漢方治療としましては、先づ急性の炎症を抑える事と体質を根本的に改善していく事の両面より処方を検討し決定致します。 中等症の患者様も漢方治療を主体に、時に点鼻・点眼薬を併用し、又IgE異常高値の重症患者様も抗アレルギー剤を併用する事で良好なコントロールを得ておられます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は私の最も得意とする漢方治療の適応しやすい疾患の一つで、患者様を拝見する度に診療意欲が湧き上ってくるものです。 アトピー性皮膚炎は丁度、冷蔵庫、洗濯機、テレビが三種の神器として流行し、マンション等の風通しの悪い西洋型家屋が増加し、核家族化が進みだした頃より徐々に増加し続け、30年前の教科書では幼小児で発症しても成人式の頃までに治癒するとされてましたが、近頃は一旦軽快治癒しても成人してから再発したり、成人から新たに発症する場合等大変複雑な状況となってまいりました。 原因としては皮膚に止まらない消化管等の全身の免疫異常、そして細菌感染も含めたアレルゲン環境要因説もあり極めて多種多要因です。 近年はとりわけメンタルストレスの関与も無視出来ない世の中となりました。 ステロイド剤そのものは炎症を抑えるという観点より理にかなったものであり、決して否定されるものではありません。また急に中止するとリバウンド現象といって危険な場合すらあります。但し長期連用からは色素沈着 ・脱出、血管拡張を示す多型皮膚萎縮等の副作用もあり、難しい問題を含んでおります。 当院では急性期以外は原則ステロイド剤は使用しない方針です。 多くの患者様は当初漢方治療に良好な反応を示し、改善効果に喜ばれ、しばしば開始1~2週間、特に初めの数日は「おしっこの中に悪い毒の様なものがドンドン出て行く感じがして、皮膚以外も体調が良くなった。」等のいわゆるデトックス様の体質改善の効果を口にされます。 しかし些細なメンタルストレス、オーバーワーク等の原因で再燃悪化していく事もあり、辛抱強い治療への動機付けと継続を必要とする場合が多いという事をご理解下さいませ。

うつ(病)とは?

うつとは、抑うつ気分(憂うつで気持が晴れない)、意欲減退(何もやる気が起きない)、ひどくなると思考運動制止(考えが浮かんで来なかったり、纏まらなくなり、身動きが取れなくなる)そして、希死念慮等へ進んでいく状態をいいます。
必ずしもうつ病だけでなく、例えば総合失調症の初期にも良く似た症状を示し紛らわしい事があります。
また不安焦燥感(イライラして落ち着かなくなる)が前面に出ると一見、躁の様に 映り診断を誤る危険性もあります。やはり専門医の診断が求められます。

うつ病は以前から大きく心因性(愛している人と死別する等のショックで起こり、個人差はあれ誰にも起こりうる)と内因性(遺伝性が強く、脳の機能障害によるとされる)に分けられてますが、最近は世相の複雑化を反映してか、徐々にその境界があいまいになり、また高齢化社会による脳の老化現象も加わり、うつ病の分類も一筋縄では行かず中々難しいものになって来ています。

うつ病は漢方薬で治りますか?

精神症状に漢方薬をエキス(インスタントコーヒーの様な粉末顆粒状化したもの)で使い始めてすでに30年、より効果を上げる為に煎じ薬を導入して23年が経ちました。
私の経験では、うつ病を漢方薬のみで治療出来たのは、消耗性うつ病の30歳の男性会社員の方と、パニック障害を伴う心因性うつ病の33歳の3歳児を持つママさんのお二人です。
パキシルという抗うつ薬の副作用が強く他の抗うつ薬等の向精神薬(中枢神経に作用する薬をこう呼びます)に変更されるのを拒絶された方で、お二人とも煎じ薬まで必要となりました。現時点ではうつ病を漢方薬のみで治療するのではなく、抗うつ薬でなくとも何らかの向精神薬と漢方薬の併用をお勧めします。

向精神薬と漢方薬を併用する利点は?

精神安定にも使う、茯苓(ブクリョウ)という生薬は胃腸の働きを良くします。この様に体全体に働いていく漢方薬は中枢神経をターゲットにする向精神薬とは効き方が自ずと違って来ます。
併用する事によって互いの長所がより鮮明になり、また西洋薬の副作用を防止でき、最終的には漢方薬を主体にした治療薬も可能となる場合も少なからず見られます。
神戸から来院されている35歳の2児のお母さまは、3年前に抗うつ薬だけではコントロールが難しく、他の患者様の勧めで漢方薬治療を求めて来院されました。当初漢方薬のみに固執されましたが、私の説得を受け入れられ従来の抗うつ薬に漢方薬(煎じ薬)と甲状腺ホルモンを加えることによって、今は御本人は70~75点まで戻ったと喜ばれています。
ちなみにこの方は rapid cycler と言って年に数回躁状態とうつ状態を繰り返されてる難治性の躁うつ病の方です。

精神障害で、得意な専門領域はありますか?

精神障害全般に拝見いたしますが、特に得意とする領域は、うつ病と心身症、パニック障害、閉所恐怖症等の恐怖症、社会不安障害(人前でのあがり、のぼせ)、認知症に伴う精神障害等です。
これらも漢方薬を併用する事によって社会適応の質が上がり、誠にそのありがたみを感謝する毎日です。
尚、摂食障害に悩まれる方、リストカットを再々される identity crisis にお悩みの方、重度アルコール依存症の関連神経障害に悩まれる方は、今まで充分な治療効果を上げておりませんので、他の専門医療機関に御紹介致しております。

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